教本『大自然の法則と人間の使命』
第三十章 善戒──しなくてはならない事をする
凡例:金枠=原典(暗記対象・出典付き。主に『善戒、禁戒』に依る)/灰枠=〔編者注〕・譬え・具体例(原典の言葉ではない)/〔出典:…〕=地の文中の典拠。教義は不変、原典は実在テキストからの引用のみ。
善戒とは
善戒とは、善いことをするため、また善くなるために戒めることである。自分自身も多くの人も仕合わせに、安全に暮らそうと思えば、自分の周囲、社会を善くしていく必要がある。そのためには、積極的に「しなくてはならない」事柄がある〔出典:善戒、禁戒 第1部 第1章〕。
その実行に対して、また度合いに対して「しなさいよ」という勧奨、「まだしていない」という催促、請求が大自然からある。考えや発言、行動で怠っていると、大自然から「していないぞ」と請求が来るのである。
『善戒、禁戒』は善戒を三つの章で説く。第1章「しなくてはならない事をする」、第2章「した方が善い事をする」、第3章「しなくてはならない、した方が善い事を他に伝える」である。
しなくてはならない事をする ── 一般的善戒
一般的善戒は、1. 敬神崇祖の善戒、2. 宗教心の善戒、3. 感謝の善戒、4. 報恩の善戒、5. 責任、使命の善戒の五つである。
敬神崇祖とは、神を敬い、先祖を大切にすることである。この感覚や意識、知識を持って生きるのと、それも知らず無視し放漫に生きる生き方では、一生の運命において雲泥の差ができる〔出典:善戒、禁戒「敬神崇祖の善戒」〕。
【原典】敬神崇祖=知恩の至極 『善戒、禁戒』
「人権を尊重してもらうためには、根源は恩を知ること。恩を知らぬ者が、人権尊重の待遇を受けることはない。敬神崇祖は知恩の至極」(当来佛)
── 出典:善戒、禁戒「一般的善戒(敬神崇祖)」
報恩の善戒は、①神、佛への礼拝、供養、感謝、報恩、②先祖への供養、感謝、報恩、③社会への感恩、報恩、④物への感恩、報恩の四つである。責任と使命は、それぞれの生き場所において必要な心構えで、責任は恩に感謝し報いる心掛けであり、責任を感じれば使命観もおのずと生じる〔出典:善戒、禁戒「報恩の善戒」「責任、使命の善戒」〕。
人として ── 個人的善戒
人として生まれ、家庭や職場で、また社会でしなくてはならない事、役目、使命が有る。原典は、生き甲斐、生かされる価値、自立、天命、天職、人間性、人権と義務、秩序規律維持の原則、人生観を挙げる〔出典:善戒、禁戒「個人的善戒」〕。
【原典】権利と義務 『善戒、禁戒』
「人は生まれながらにして、生きる権利を有する。同時に人としての義務もある。権利と義務は表裏一体」(当来佛)
── 出典:善戒、禁戒(人権と義務)
した方が善い事をする ── 次善戒
次善戒とは、善戒に次ぐという意味である。大自然の法則は、常に世の中の勧善懲悪、秩序維持、社会浄化、相互扶助、共存共栄等の動きに向かっている。それを「自然調節制御作用」という〔出典:善戒、禁戒「一般的次善戒」〕。
「人間は易きに流れやすい性質を持つものである。世の中は、放っておくと汚れるから、常に浄化するための努力をしなくてはならない」(当来佛)
一般的次善戒は、1. 勧善懲悪、2. 秩序維持、3. 社会浄化(清掃)、4. 相互扶助(物心両面)、5. 相互協力(注意喚起等)、6. 能率増進、7. 無駄(冗)の排除、8. 伝統保持、文化向上、9. 慈善活動(布施)、10. 信仰心の十の善戒である。個人的次善戒は、1. 自主自立(自活、独立)、2. 和合(調和、順応)、3. 礼儀礼節、4. 慈悲、布施、5. 謙譲、6. 懴悔、7. 忠誠心の七つである。
男、女、夫婦としての善戒
当来佛のご説法は「男は男らしく、女は女らしく」で、特別男として、女として、こうあるべきというご説法は出ていない。ただし家庭の中の夫と妻の関係では「夫を立てろ」と仰せで、「夫六分、妻四分」という、互いの力関係、主張、考え、扱い、動き方、義務、責任、使命を説法されることが多かった〔出典:善戒、禁戒「男、女」〕。
男と女は、それぞれ持って生まれた身体の形、性能、精神的な性質が違う。違いを認め、活かし、互いが補い合うから、まとまり、家庭や社会、世の中がまわり、生活が成り立つ〔出典:善戒、禁戒「役目」〕。
原典の「男の心得」は、当来佛の次の三箇条である。1.判断力、思慮分別から、常に研究心と明察力を養え。2.統率力を持って陣頭指揮でやれ。3.局部的判断と相対的(総体的)判断をせよ〔出典:善戒、禁戒「男の心得」〕。
夫婦については「夫婦は四分六分」と説かれ、「妻の方が主人(長)を立てて、主人を大事にする」(当来佛)とされる。半面、「妻のしたことは夫の責任(4対6の反対)」(当来佛)とも言われた〔出典:善戒、禁戒「夫婦は四分六分」〕。このほか原典は、親、子、家としての善戒を説いている。
他に伝える ── 化他の善戒
以上のことを他に伝え教える、他と共有する。学校や社会、企業の教育に取り入れる。家庭で子供にしつける、家族、親族に伝え、互いに注意喚起する。これらが善業を積んでいく手段でもある〔出典:善戒、禁戒「化他の善戒」〕。
どこまでしたら善いのか、程度は示されていない。しかし諸法の原理・原則の一つに「四知の則」が有り、その原則で人の業の度合いに応じて、適当な賞と罰があるものである〔出典:善戒、禁戒「善戒の非実行」〕。
善戒の三つの章と、それぞれの戒を並べたのが図61である。
図61の読み方
図61は、いちばん上の枠と三つの段で読む。上の枠は善戒の性格で、怠っていれば大自然から「していないぞ」と請求が来る。一段目は「しなくてはならない事をする」で、一般的善戒の五つと個人的善戒、そして「敬神崇祖は知恩の至極」「権利と義務は表裏一体」の二つの原典。二段目は「した方が善い事をする」次善戒で、一般的次善戒の十、個人的次善戒の七、立場ごとの善戒。三段目は「他に伝える」化他の善戒と、善戒の非実行に対する四知の則である。
