教本『大自然の法則と人間の使命』
第十三章 幸せとは何か
凡例:本章は金枠を置かず、地の文の〔出典:…〕で原典を示す(主に『心掛け』『実践』『実踐哲学の学び(その1)』に依る)/灰枠=〔編者注〕・譬え・具体例(原典の言葉ではない)/〔出典:…〕=地の文中の典拠。教義は不変、原典は実在テキストからの引用のみ。
幸せとは「仕合わせ(為し合わせ)」
では、「幸せ」とは何か。ここで言う幸せは、単なる快感・満足感・安心感ではない。万民が共通に理解できる「為し合わせ」──物事が上手く「為し合わせる」状態を言う。すなわち、物事が滞りなくスムースに進み、皆が精神的にも物質的にも充足され、過不足ない状態。「和」が出来た状態である。和とは、物心両面で均衡・調整が取れ、心・力・知恵が合体した状態で、個人の利や都合が中心では成立しない〔出典:実踐哲学の学び(その1)「人の幸せ」〕。
当来佛は「仕合わせとは、なし合わせる、意の如くなる」「物事が良く行く、如意のこと。意の如くなる。滞らないこと。如意、思いが成就することである」と定義された。そのためには神佛に能いていただくこと──神佛のご守護による幸せで、「仕合わせ」から来る「幸せ」が大きい〔出典:形而上学のすすめ(二)/心掛け〕。
何が幸せ「でない」か ── 慾の満足との区別
腹いっぱい食べ、欲しいものが手に入り、思いどおり事が成って幸せ──それは慾が満たされ安堵した“動物的な状態”であって、真の幸せではない。真の仕合わせとは、いろいろな事が上手くなし合わせ、無駄なく進み、双方・皆が善くなることである〔出典:実践「仕合わせる」〕。「病気が治る」「借金が減る」「欲しいものが手に入る」は、我慾が満たされた状態にすぎない。金が儲かった・急に痛みが治ったなどは“仮のご利益”で、真のご利益とは、知らぬ間に周囲の状況が善い方向へ変わり、家内和合・子孫繁栄・社会全体が善くなっていくことである〔出典:心掛け/形而上学のすすめ(三)〕。
如意との関係 ── 「幸せと不幸の限界は、如意」
如意とは、意の如くなること。ただし、自我・我慾を通して意の如くするのではない。神佛の意の如く行い、ご意趣どおりのことをして功徳を積んでこそ、意の如くなる。「幸せと不幸の限界は、如意」「幸せを得ようとすれば、報恩の心。まず神佛への報恩、先祖へ、社会へ、物へ」(当来佛)。神佛が「仕合わせに」と考えておられる内容と、人間の思う「幸せ」は違う場合がある。目的が如意であれば、手段は不如意でもよい〔出典:実践/掘り下げ(改訂版)〕。
どうしたら幸せになれるか
① 知分・分に安んずる──自分の分限・役目を知り、その中で生きる。使命を優先する〔形而上学のすすめ(三)〕。
② 自己中心から他中心へ──価値観が変わったとき、幸せな人生が見えてくる〔実踐哲学の学び(その1)〕。
③ 神佛を中心に・法則どおりに──「物も心も神佛が動かしておられる。神佛を中心に考えてこそ幸福がある」。祈っても、法則どおり実行しないと幸せにはならない〔形而上学のすすめ/実踐哲学の学び(その3)〕。
④ 報恩の心──法に遵えば意の如くなる。幸せを得るには、まず報恩の心が肝心〔心掛け〕。
幸せは「神佛からの預かりもの」
「幸せは、神佛から預かっているもの」「苦も、神佛から預かっているもの」(当来佛)。借りもの(仮り物)なのだから、「自分の力で幸せになった」と喜んではいけない。神佛が為して下さっているのである。預かっている以上、幸福も不幸も丁寧に取り扱わなくてはならない〔出典:心掛け/実践〕。
第二部のまとめ ── 暗記の土台(第五章「万有、諸行の基準」)
第二部の締めくくりに、人間の意義・役目・幸せを支えてきた第五章「万有、諸行の基準」の四理を、暗記の土台としてそろえておく(標題と頁は第二章末の図6「諸法の原理原則の地図」を参照)。
〔出典:諸法の原理原則 第五章「万有、諸行の基準」90〜100頁。基礎の暗記と習得の対象)
第一部・第二部で見てきたことを、原典の「人としての基本姿勢」に照らしてまとめた。幸せ(仕合わせ)と人間完成への道筋が図28である。
図28の読み方
図28は三段に読む。一段目は目指す所で、原典の信仰の目的を順に置いた ──「苦の解脱」「ご守護」「能率増進」「仕合わせ」「善業累積」「人間完成」。二段目は「仕合わせとは」で、「単なる快感、満足感、安心感ではなく、万民が共通に理解できる『仕合わせ』、つまり物事が上手く『為し合わせる』状態」「つまり、『和』が出来た状態である」。そのためには「法、時、所、相手の才に合わせ、自分の言動の効果、結果を考えて行動しなくては、為し合わせは難しい」。三段目が総観で、第一部と第二部で見てきたことを、原典の「人としての基本姿勢」に照らして一枚に並べた〔出典:実踐哲学の学び(その1)「人の幸せ」/心掛け「学びの目的」〕。

──ここまでが第二部「人間とは何か」である。人はなぜ在り(存在意義)、どの位置でどんな役目を持ち(役目・使命・住位)、何を目指し(人間完成)、何をもって幸せとするか(仕合わせ)を見てきた。次の第三部では、日々の出来事に隠された「知らせ」を読み解いていく。